
こんにちは、初石駅前校です。
「模試では時間が足りなくて最後まで解けなかった...」共通テストを控えた高校3年生から、こんな声をよく聞きます。直前期になると、新しい知識を詰め込むよりも、今ある実力を本番で最大限に発揮する「時間戦略」の方がはるかに重要になります。
実は、時間配分や解く順番を変えるだけで、同じ実力でも10点以上スコアが変わることも珍しくありません。流山市、柏市の受験生も、この直前期に時間戦略を見直すことで、志望校合格への確実な一歩を踏み出しています。今回は、共通テストで高得点を取るための具体的な時間戦略をご紹介します。
📖 目次
NG/OK時間配分パターン比較
同じ実力でも、時間の使い方次第で結果は大きく変わります。よくある失敗パターンと成功パターンを比較してみましょう。
NGパターン: 「頭から順番に解く」戦略
多くの受験生がやってしまうのが、問題冊子の最初から順番に解き進める方法です。この方法の落とし穴は、最初の大問が難問だった場合、そこで時間を使いすぎて後半の簡単な問題に手が回らなくなることです。また、難しい問題に時間をかけすぎると焦りが生まれ、後半でケアレスミスが増える原因にもなります。
実際の失敗例を見てみましょう。数学IAで第1問の図形問題に15分かけてしまい、第4問の確率(配点20点)に5分しか残らず、半分しか解けなかったケースがあります。結果として、難しい問題で5点しか取れず、簡単な問題で10点を失うという最悪の展開になりました。
OKパターン: 「得意・簡単な問題から攻める」戦略
成功する受験生は、試験開始後すぐに問題全体を俯瞰します。開始5分間で全ての大問にザッと目を通し、「これは確実に取れる」「これは後回し」という判断を瞬時に行います。そして、得意分野や配点の高い問題から優先的に解いていきます。
成功例では、数学IAで第1問を飛ばし、第2問(データ分析)→第4問(確率)→第3問(図形)→第1問の順で解答しました。得意な分野で確実に得点し、メンタルが安定した状態で難問に挑めたため、見直し時間も5分確保できました。結果、同じ実力でも15点以上の差が生まれたのです。
時間配分の基本原則
共通テストの時間配分では、試験時間の10%を削減した時間で解き切る訓練が効果的です。80分の試験なら72分で解く練習をすることで、本番の緊張や予期せぬトラブルにも対応できる余裕が生まれます。この8分の余裕が、見直しやマークミスチェックの時間になります。
科目別の時間戦略【実践編】
各科目には、それぞれ最適な時間配分があります。
英語リーディング(80分): 速読と時間制限の徹底
第1問から第3問までの短文読解に合計25分、第4問から第6問までの長文読解に50分、見直しに5分が理想的な配分です。長文は1問あたり15分以内と決め、タイマーを活用しましょう。読解で詰まったら、その段落を飛ばして次に進む勇気も必要です。未読部分があっても、解答できる設問から埋めていくことで得点を積み上げられます。
数学IA・IIB(各70分): 捨て問の見極めが鍵
数学は大問ごとに難易度の差が大きい科目です。各大問に15分以内と設定し、15分経過しても解法が見えない問題は一旦飛ばします。最後まで解き終えてから、残り時間で難問に再挑戦する方が効率的です。特に誘導形式の問題では、途中でつまずくと後半全てを失うリスクがあるため、早めの見切りが重要です。
国語(80分): 古文・漢文を最優先
現代文は考え込むと時間が無限に消費されます。古文(20分)→漢文(15分)→現代文・評論(25分)→現代文・小説(15分)→見直し(5分)の順で解くことをおすすめします。古文・漢文は知識問題が多く、短時間で確実に得点できるため、序盤に片付けてメンタルを安定させましょう。
理科・社会(各60分): 知識問題を高速処理
理科・社会は、知識問題(用語、年号、人物名など)を最初の20分で一気に片付けます。思考問題や計算問題は後回しにし、確実に取れる問題で土台を固めます。特に地理や生物のグラフ読み取り問題は時間がかかるため、最後に回すのが賢明です。
本番5日前から当日までのチェックリスト
直前期の準備が、本番のパフォーマンスを左右します。
□ 5日前: 科目別の時間配分表を作成
各科目の大問ごとに「何分かける」を書き出した一覧表を作り、試験当日に持参します。緊張で頭が真っ白になっても、この表を見れば冷静さを取り戻せます。
□ 3日前: 解く順番のシミュレーション
過去問を使い、「どの大問から解くか」を実際に試します。複数パターンを試し、自分に最も合った順番を確定させましょう。
□ 前日: マークシート練習
マークミスは毎年多くの受験生が経験するトラブルです。前日に、問題番号とマーク位置のズレがないか確認する練習を10分だけ行いましょう。
□ 当日朝: 時計の動作確認
試験会場に時計がない場合に備え、自分の腕時計が正確に動いているか確認します。ストップウォッチ機能付きの時計は使用できない会場もあるので注意が必要です。
□ 試験開始直後: 5分間の問題俯瞰
問題冊子が配られたら、すぐに解き始めず、全体をざっと眺めます。どの大問が簡単そうか、どれが難しそうかを把握し、解く順番を頭の中で整理してから着手しましょう。
時間戦略が得点に与える影響【データで見る】
時間戦略の有無で、どれほど得点が変わるのでしょうか?
ある予備校の調査によると、共通テスト本番で「時間が足りなかった」と回答した受験生の平均得点率は68%でした。一方、「時間配分通りに解けた」と回答した受験生の平均得点率は78%で、10ポイントもの差が生まれています。これは、900点満点で換算すると90点の差になります。
また、直前期に時間配分の訓練を集中的に行った受験生は、本番で模試よりも平均15点スコアを伸ばしたというデータもあります。これは、緊張やプレッシャーがある本番環境でも、訓練した時間戦略が自動的に発動し、冷静に問題を処理できたためです。
さらに、見直し時間を5分確保できた受験生は、マークミスや計算ミスによる失点を平均8点防いでいます。特に数学では、符号ミスや転記ミスが頻発するため、見直しの有無が合否を分ける決定的な要因になります。
時間戦略は、知識量を増やすよりも短期間で効果が出やすく、直前期の得点アップに最も効率的な対策と言えます。
📌 この記事のポイント
80分の試験なら72分で解く練習をすることで、本番の余裕が生まれ、見直し時間も確保できます。
□ 得意分野から解く順番戦略
試験開始5分で全体を俯瞰し、簡単な問題や得意分野から攻めることで、序盤に得点を積み上げメンタルを安定させます。
□ 科目ごとの最適配分を暗記
英語は速読重視、数学は捨て問の見極め、国語は古文漢文優先、理社は知識問題の高速処理がポイントです。
□ 見直し5分の確保が合否を分ける
マークミス、計算ミス、問題文の読み違えを防ぐ見直し時間は、平均8点の失点を防ぎます。
まとめ
共通テスト直前期は、知識を増やすことよりも、今ある実力を100%発揮する「時間戦略」が得点アップの鍵です。時間配分、解く順番、見直しの技術を磨くことで、同じ実力でも10点以上のスコアアップが可能になります。
残り少ない日数ですが、過去問や予想問題を使って時間戦略を徹底的にシミュレーションしましょう。科目ごとの配分表を作成し、本番に持参することで、緊張下でも冷静に対応できます。
流山市、柏市の受験生の皆さんも、この時間戦略を実践することで、志望校合格への最後の一押しになるはずです。本番では実力だけでなく、戦い方が合否を分けます。
初石駅前校では、共通テスト対策を含めた受験指導を行っています。時間配分や解く順番の個別アドバイスも行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
塾長より


