
こんにちは、初石駅前校です。
「数学が苦手で、授業についていけない...」中学生のお子様を持つ保護者様から、こんな相談をよく受けます。数学や理科は積み重ねの科目であるため、今の単元がわからない原因は、ほとんどの場合、前の学年や前の単元の基礎知識の欠落にあります。
この穴を埋めずに先に進もうとしても、ニガテは解消しません。冬休みは学校の授業が止まるため、学年をまたいでじっくりと遡り学習に取り組める貴重な期間です。流山市、柏市の中学生も、この冬休みの過ごし方で新学期の成績が大きく変わります。今回は、親子の対話を通して数学・理科のニガテを根本的に克服する具体的な計画の立て方をご紹介します。
📖 目次
ニガテの原因を見つける診断テスト
まずは、どこでつまづいているのかを正確に把握しましょう。
数学のニガテ診断
中学1年生の診断ポイント
方程式が解けない場合、小学校の分数・小数の計算でつまづいている可能性があります。過去のテストで、計算ミスが多発していないか確認しましょう。
比例・反比例が理解できない場合、小学校の割合や速さの概念が曖昧な可能性があります。「速さ=距離÷時間」といった基本公式が身についているか確認します。
中学2年生の診断ポイント
一次関数が理解できない場合、中学1年の比例・反比例が理解できていません。グラフの読み取りや傾きの概念を確認しましょう。
連立方程式が解けない場合、中学1年の一次方程式でつまづいています。移項や符号の扱いが正確にできるか確認します。
中学3年生の診断ポイント
二次関数が理解できない場合、中学1年の比例や中学2年の一次関数が理解できていません。関数の基本概念から学び直す必要があります。
因数分解ができない場合、中学1年の文字式の計算や中学2年の式の展開でつまづいています。分配法則の理解度を確認しましょう。
理科のニガテ診断
物理分野
電気や運動の問題が解けない場合、比例・反比例や速さの概念が理解できていません。数学の基礎と密接に関係しています。
化学分野
化学反応式が書けない場合、化学式や原子の概念が曖昧です。中学1年の物質の性質から復習が必要です。
生物・地学分野
暗記が中心のため、計算問題以外は遡り学習の必要性は低いです。ただし、光合成や遺伝など、前提知識が必要な単元もあります。
診断の進め方
過去のテストを3回分用意する
直近3回分の定期テストや模試を用意し、間違えた問題を分類します。計算ミスなのか、概念の理解不足なのかを見極めます。
親子で一緒にワークを確認
お子様と一緒に教科書やワークを開き、「この問題が解けなかったのは、どこがわからなかったから?」と質問します。お子様自身に原因を考えさせることが重要です。
つまづきポイントを特定
「方程式の移項ができない」「グラフの読み取りができない」など、具体的なつまづきポイントを書き出します。これが遡り学習の出発点になります。
学年別・遡り学習マップ
学年ごとに、どこまで戻るべきかの目安をご紹介します。
中学1年生の遡り学習
数学
小学5年生から6年生の内容に戻ります。
分数・小数の四則計算を完璧にします。特に分数の割り算(逆数をかける)は重要です。
割合、速さ、比の概念を理解します。これらは中学数学の土台です。
理科
小学5年生から6年生の理科を復習します。
物の溶け方、振り子の運動、てこの原理など、中学理科の基礎となる単元を確認します。
中学2年生の遡り学習
数学
中学1年生の内容に戻ります。
正負の数、文字式の計算、一次方程式を完璧にします。これらができないと、中学2年の内容は理解できません。
比例・反比例のグラフと式の関係を理解します。一次関数の土台です。
理科
中学1年生の理科を復習します。
物質の性質、状態変化、光・音・力など、物理・化学の基礎を固めます。
中学3年生の遡り学習
数学
中学1年から2年の内容に戻ります。
一次関数までの関数の概念を理解します。二次関数は一次関数の延長です。
式の展開と因数分解の関係を理解します。これらは表裏一体です。
理科
中学1年から2年の理科を復習します。
化学反応式、電気回路、運動とエネルギーなど、計算が必要な単元を重点的に復習します。
冬休み2週間集中プログラム
具体的なスケジュール例をご紹介します。
第1週: 基礎の徹底復習
1日目から3日目: つまづきポイントの特定と教材準備
診断テストの結果から、具体的につまづいている単元を特定します。その単元の教科書やワークを用意し、親子で学習計画を立てます。
「冬休みの前半は、中学1年の比例・反比例だけを集中してやり直そう」というように、短期間で達成できる明確な目標を設定します。
4日目から7日目: 基礎問題の反復
簡単な基礎問題を大量に解きます。お子様が「簡単だ」と感じるレベルから始めることが重要です。
1日2時間、午前1時間と午後1時間に分けて取り組みます。長時間続けるより、短時間を2回に分ける方が集中力が持続します。
間違えた問題はすぐに解説を読み、もう一度解き直します。同じ問題を3回解けるようになるまで繰り返します。
第2週: 応用問題への挑戦
8日目から10日目: 標準レベルの問題演習
基礎が固まったら、標準レベルの問題に挑戦します。定期テストの平均点レベルの問題を中心に解きます。
この段階でも、間違えた問題は基礎に戻って確認します。焦らず、確実に理解を深めることが大切です。
11日目から14日目: 現学年の問題に戻る
遡り学習で基礎が固まったら、現学年の問題に戻ります。以前は解けなかった問題が、基礎を理解したことで解けるようになっているはずです。
この成功体験が、お子様の自信につながります。「基礎をやり直したら、できるようになった!」という実感が、今後の学習意欲を支えます。
スケジュールのポイント
毎日同じ時間に取り組む
午前10時から11時、午後2時から3時など、時間を固定することで習慣化しやすくなります。
休憩日を設ける
14日間連続ではなく、3日に1日は完全オフにします。メリハリをつけることで、集中力が維持できます。
親も一緒に学ぶ姿勢を見せる
お子様が勉強している横で、親も読書や仕事をする姿を見せます。「勉強は特別なことじゃない」という雰囲気を作ることが大切です。
成功体験を積み重ねる記録シート
ニガテ克服は時間がかかるため、途中で挫折しやすいです。成功体験を見える化することで、モチベーションを維持しましょう。
学習記録シートの作り方
項目1: 今日やった単元
「中学1年 比例・反比例 基礎問題20問」など、具体的に記録します。
項目2: 解けた問題数
「20問中18問正解」のように、正解数を記録します。数字で見ることで、成長を実感できます。
項目3: わかるようになったこと
「比例のグラフの書き方がわかった」「yがxに比例するときの式が書けるようになった」など、できるようになったことを言葉で書きます。
項目4: 今日の頑張り度(5段階)
お子様自身に、今日の頑張りを5段階で評価させます。自己評価することで、学習への主体性が育ちます。
項目5: 親からの一言
親が一言、承認のメッセージを書きます。「1時間集中して取り組めたね」「難しい問題に挑戦する姿勢がすごい」など、努力や態度を褒めます。
記録シートの活用方法
毎日5分の振り返り
勉強が終わったら、親子で5分間、記録シートを一緒に書きます。この時間が、親子のコミュニケーションの機会にもなります。
1週間ごとの総括
1週間分の記録を見返し、「今週はここまでできるようになったね」と成長を確認します。小さな成功の積み重ねが、大きな自信につながります。
目標達成時のご褒美
2週間のプログラムを完走したら、小さなご褒美を用意します。好きな食事、欲しかった本など、お子様が喜ぶものを選びましょう。
ただし、ご褒美は「プログラムを完走したこと」に対してであり、「テストの点数」に対してではありません。努力を評価することが重要です。
📌 この記事のポイント
過去のテスト3回分を分析し、計算ミスなのか概念の理解不足なのかを見極めることが、遡り学習の第一歩です。
□ 学年をまたいだ遡り学習
今の学年にこだわらず、小学生の内容まで戻る勇気が必要です。基礎を固めることが、最も確実な成績向上の道です。
□ 2週間の集中プログラム
第1週は基礎の徹底復習、第2週は応用問題への挑戦と、段階的に難易度を上げることで、確実に力がつきます。
□ 成功体験の見える化
学習記録シートで成長を記録し、親が承認のメッセージを書くことで、お子様のモチベーションが維持できます。
まとめ
中学生の数学・理科のニガテは、前の学年や前の単元の基礎知識の欠落が原因です。この穴を埋めずに先に進んでも、ニガテは解消しません。
冬休みは学校の授業が止まるため、学年をまたいで遡り学習に取り組める貴重な期間です。診断テストでつまづきポイントを特定し、2週間の集中プログラムで基礎を徹底的に固めましょう。
成功体験を記録シートで見える化し、親が承認のメッセージを書くことで、お子様のモチベーションが維持できます。難しい問題が解けたときだけでなく、努力や学習態度を褒めることが、自信の回復につながります。
流山市、柏市の中学生の皆さんも、この冬休みの過ごし方で新学期の成績が大きく変わります。ニガテの根っこを断ち切り、確実な一歩を踏み出しましょう。
初石駅前校では、中学生の数学・理科のニガテ克服をサポートしています。遡り学習の計画立てや、お子様に合った教材選びについても、ぜひお気軽にご相談ください。
塾長より


