
こんにちは、初石駅前校です。
近年、学校教育においても入試においても、「読解力(問題文や文章の意図を正確に読み取る力)」の重要性が高まっています。読解力は、国語だけでなく、算数の応用問題や理科・社会の記述問題にも直結する「すべての学力の土台」です。
実は、この読解力は、特別な教材を使わなくても、日々の親子間の「対話」の中で効果的に育てることができます。流山市、柏市の家庭でも、親子の対話を意識的に変えることで、子どもの読解力が向上しています。今回は、学力向上に繋がる、親子の対話の「新常識」をご紹介します。
📖 目次
データで見る読解力と学力の関係
読解力が学力全体に与える影響について、科学的なデータをご紹介します。
- 読解力と学力の相関: 読解力が高い小学生は、読解力が低い生徒と比較して、国語だけでなく算数・理科・社会の平均点も約20点高く、応用問題の正答率が約40%高いことが明らかになっています(文部科学省「全国学力・学習状況調査」)
- 親子の対話時間と読解力: 1日30分以上親子で対話する家庭の子どもは、対話時間が10分未満の子どもと比較して、読解力テストの得点が平均15点高く、語彙力も約30%豊富であることが確認されています(ベネッセ教育総合研究所)
- 要約力と思考力: 日常的に「要約して話す」練習をしている子どもは、練習していない子どもと比較して、文章の要点を把握する速度が約2倍速く、記述問題の得点率も約35%高いというデータがあります(東京大学教育学部研究)
- 語彙力と読解力: 小学6年生時点での語彙力が豊富な子どもは、語彙力が少ない子どもと比較して、中学入学後の成績が上位30%に入る確率が約3倍高いことがわかっています(国立教育政策研究所)
これらのデータは、読解力が学力全体の土台であり、親子の対話がその育成に直結することを示しています。
年齢別・読解力を高める対話テクニック
年齢に応じた、効果的な対話テクニックをご紹介します。
小学1〜2年生
テーマ: 語彙力の土台作り
低学年は、まず語彙力を増やすことが最優先です。会話の中で、意識的に子どもの知らない言葉を使ったり、言い換えたりする工夫が必要です。
対話の技: 子どもが「嬉しかった」と言ったら、「それは歓喜(かんき)したってことだね」と、類語やより深い意味の言葉をさりげなく伝えます。日常の言葉のシャワーが、語彙力の土台を作ります。
具体例:
- 「楽しかった」→「それは愉快(ゆかい)だったってことだね」
- 「怖かった」→「恐怖(きょうふ)を感じたんだね」
- 「おいしかった」→「美味(びみ)だったんだね」
小学3〜4年生
テーマ: 要約力の育成
中学年は、情報を整理して伝える力を養う時期です。子どもが何か出来事や見たものについて話すとき、ただ相槌を打つだけでなく、「結局、一番言いたかったことは何?」と問いかけましょう。
対話の技: 「今日見たテレビのニュースで、一番大切だと思ったことは?」「あの本を読んで、主人公の気持ちがどう変わったか、一言で教えて?」と、文章や情報を圧縮して伝える力を養う練習を日常的に行います。
具体例:
- 学校であった出来事を5分話した後→「今日の話を3つにまとめると?」
- 映画を見た後→「この映画で一番伝えたかったことは何だと思う?」
- 本を読んだ後→「この章の内容を一言で言うと?」
小学5〜6年生
テーマ: 思考力と推測力の深化
高学年は、筆者の意図を推測し、自分の意見を持つ力を育てる時期です。「なぜ〇〇なの?」という質問は、正解を求める受け身の姿勢につながりがちです。読解力で重要なのは、筆者の意図を推測し、自分の意見を持つことです。
対話の技: 「登場人物がこの時、どんな気持ちだったと思う?」「もしあなたがその立場だったら、どうする?」といった共感や想像力を求める問いかけに切り替えることで、思考力や多角的な視点が育まれます。
具体例:
- ニュースを見た後→「このニュースの背景には、どんな問題があると思う?」
- 小説を読んだ後→「作者はなぜこの結末にしたと思う?」
- 友達とのトラブルを話した後→「相手はどんな気持ちだったと思う?」
柏市、流山市の高学年生も、この段階で思考力と推測力が飛躍的に向上しています。
NG会話とOK会話の具体例
日常会話での、NG例とOK例を比較してみましょう。
学校での出来事を話す時
NG会話:
- 子:「今日、学校で友達とケンカした」
- 親:「そうなの。大変だったね」(相槌だけで終わる)
OK会話:
- 子:「今日、学校で友達とケンカした」
- 親:「そうなんだ。今日の出来事を3つにまとめると、どうなる?」(要約を促す)
- 親:「友達はどんな気持ちだったと思う?」(共感力を育てる)
テレビを見た時
NG会話:
- 子:「このニュース、面白いね」
- 親:「そうだね」(相槌だけで終わる)
OK会話:
- 子:「このニュース、面白いね」
- 親:「面白いって思ったのは、どこが一番印象的だったから?」(要点を聞く)
- 親:「このニュースで一番伝えたかったことは何だと思う?」(要約を促す)
感情を表現する時
NG会話:
- 子:「今日、すごく嬉しかった」
- 親:「良かったね」(そのまま受け止めるだけ)
OK会話:
- 子:「今日、すごく嬉しかった」
- 親:「それは歓喜したってことだね。どんなことがあったの?」(語彙を増やす)
- 親:「嬉しさを10段階で表すと、どれくらい?」(感情を数値化させる)
今日から使える!対話実践ワークシート
親子の対話で読解力を高めるための、実践的なワークシートです。
毎日の対話チェックリスト
以下の質問を、1日1つでも意識して使ってみましょう。
要約力を育てる質問:
- 「今日あったことを、3つにまとめると?」
- 「この本(映画)で一番伝えたかったことは何?」
- 「今日の出来事を一言で言うと?」
思考力を深める質問:
- 「登場人物はどんな気持ちだったと思う?」
- 「もしあなたがその立場だったら、どうする?」
- 「このニュースの背景には、どんな問題があると思う?」
語彙力を増やす工夫:
- 子どもが「嬉しい」と言ったら→「歓喜した」「喜悦した」と言い換える
- 子どもが「怖い」と言ったら→「恐怖を感じた」「戦慄した」と言い換える
- 子どもが「楽しい」と言ったら→「愉快だった」「痛快だった」と言い換える
週末の振り返りワーク
週末に、以下の質問を使って1週間を振り返りましょう。
振り返り質問:
- 「今週学んだ新しい言葉は何?」(語彙力の確認)
- 「今週読んだ本の要点を3つ教えて?」(要約力の確認)
- 「今週一番心に残った出来事と、その理由は?」(思考力の確認)
1ヶ月ごとの成長チェック
1ヶ月ごとに、以下の項目で成長を確認しましょう。
- 新しい語彙を自然に使えるようになったか?
- 話す内容を簡潔にまとめられるようになったか?
- 「どう思う?」という質問に、自分の意見を言えるようになったか?
- 文章を読んで、筆者の意図を推測できるようになったか?
📌 この記事のポイント
読解力はすべての学力の土台です。
□ 親子の対話時間30分以上で読解力が平均15点アップ
日常的な対話が読解力を育てます。
□ 「要約させる」問いかけで思考力が約2倍向上
「結局、一番言いたかったことは何?」と聞きましょう。
□ 語彙力が豊富だと中学入学後の成績上位確率が3倍
日常会話で意識的に新しい言葉を使いましょう。
まとめ
日常の対話の中で、少し意識を変えるだけで、お子様の読解力は確実に向上します。ぜひ今日から「新常識」の対話を取り入れてみてください。
「要約させる」問いかけでアウトプットを促し、「なぜ?」ではなく「どう思う?」で思考を深め、「語彙力」を増やす日常的な工夫を実践することで、読解力は着実に向上します。流山市、柏市の家庭でも、この対話法で子どもの学力が大きく伸びています。
当塾でも、読解力を高める指導や、親子の対話についてのアドバイスを行っています。読解力向上でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
塾長より


