
こんにちは、初石駅前校です。
定期テストや高校入試において、単なる知識の暗記では解けない「記述問題」の配点が増加しています。記述問題は、答えを導く「思考のプロセス」を評価するものであり、この力は、受験の合否だけでなく、将来の社会で求められる論理的思考力の土台となります。
この記述力・思考力は、特別な訓練だけでなく、日常の親子間の「対話」の中で効果的に育てることができます。流山市、柏市の中学生家庭でも、親の声かけを変えることで、記述問題の得点が劇的に向上しています。今回は、中学生の記述問題対策に直結する、親の声かけの秘訣をご紹介します。
📖 目次
記述力が育つ親の声かけチェックリスト
日常的に以下の声かけができているか、確認してみましょう。
□ 「つまり、どういうこと?」と要点整理を促している
情報を整理する力が記述問題の基礎です。
□ 「他の方法は?」と複数の視点を探るよう促している
多角的な思考力が記述問題の鍵です。
□ 「ムカつくって、具体的には?」と言葉の定義を明確にさせている
正確な言語化が記述の質を高めます。
□ 「それは意見? それとも事実?」と区別させている
客観的な文章を書く力が身につきます。
□ 「反対の立場の人はどう考える?」と逆の視点を考えさせている
論理的思考力が深まります。
□ 「この問題を解くのに、他に使えそうな知識は?」と関連付けを促している
応用力が養われます。
□ 子どもの話を最後まで聞き、すぐに答えを教えない
自分で考える習慣が最も重要です。
5個以上チェックできれば、記述力を育てる声かけができています。3個以下の場合は、今日から意識して変えてみましょう。
学年別・効果的な声かけ例
学年に応じた、記述力を高める声かけ例をご紹介します。
中学1年生
テーマ: 要点整理の習慣化
中1は、情報を整理して伝える力を養う時期です。記述問題が苦手な子の多くは、頭の中の情報が整理できていません。親は、子どもが話す内容に対し、「核」を見つける練習をさせましょう。
効果的な声かけ: 新聞のニュースや、学校であった出来事について話す際、「情報が多すぎるよ。一番言いたいことは何?」「それは誰の意見? それとも事実?」と問いかけます。これにより、文章の要点を掴む力が養われます。
具体例:
- 子:「今日、学校でこんなことがあって、それでこうなって...」
- 親:「話が長いね。つまり、どういうこと? 3つにまとめて教えて」
- 子:「このニュース、ひどいと思う」
- 親:「ひどいっていうのは、あなたの意見? それとも事実? その違いを説明してみて」
中学2年生
テーマ: 客観的視点の育成
中2は、複数の視点から物事を考察する力を育てる時期です。記述問題は、一つの正解だけでなく、複数の視点から物事を考察する力を要求します。子どもが導いた結論に対し、「別の考え方」を探るよう促しましょう。
効果的な声かけ: 「あなたの意見はわかったよ。じゃあ、反対の立場の人はどう考えると思う?」「この問題を解くのに、他に使えそうな知識はないかな?」と、視点を切り替えるヒントを与えます。
具体例:
- 子:「学校の校則が厳しすぎると思う」
- 親:「確かにそうかもね。じゃあ、先生側の立場だったら、なぜそういう校則を作ったと思う?」
- 子:「この数学の問題、公式を使えば解けた」
- 親:「良かったね。他の解き方はないかな? 別の公式や考え方を使って解けないか試してみて」
中学3年生
テーマ: 言葉の定義と正確な表現
中3は、曖昧な言葉を使わず、正確な言葉で表現する力を磨く時期です。記述では、曖昧な言葉を使わず、正確な言葉で表現する力が求められます。日常会話の中で、言葉の「定義」を意識させましょう。
効果的な声かけ: 子どもが「ムカつく」「ヤバい」といった抽象的な言葉を使ったら、「ムカつくって、具体的にどういう気持ちなの? 悔しい? それとも悲しい?」と、具体的な感情や状態に言語化するよう促します。
具体例:
- 子:「今日の部活、めっちゃヤバかった」
- 親:「ヤバいって、どういう意味? 楽しかった? それとも大変だった? 具体的に教えて」
- 子:「この問題、なんとなく解けた」
- 親:「なんとなくじゃなくて、どういうプロセスで解いたのか、言葉で説明してみて」
柏市、流山市の中3受験生も、この段階で記述問題の得点が飛躍的に向上しています。
よくあるご質問
Q. 子どもが「わからない」と言って、考えることを放棄します。どうすればいいですか?
A. いきなり難しい質問をすると、思考停止してしまいます。まずは「どこまでわかった?」「わからないのは、どの部分?」と、わかる部分とわからない部分を切り分ける質問をしましょう。小さなステップに分けることで、考えやすくなります。
Q. 親が答えを知らない問題について、どう声かけすればいいですか?
A. 答えを知っている必要はありません。「一緒に考えてみよう」「どうやって調べればわかるかな?」と、問題解決のプロセスを共有することが大切です。親が答えを教えるより、一緒に考える姿勢が、思考力を育てます。
Q. 記述問題で部分点がもらえません。どこが悪いのでしょうか?
A. 記述問題では、「何を書くか」だけでなく「どう書くか」が重要です。キーワードが入っているか、論理的につながっているか、主語と述語が対応しているかを確認しましょう。普段の会話でも、「主語は? 述語は?」と問いかけることで、文章構成力が身につきます。
Q. 記述問題の練習は、どれくらいの頻度で行えばいいですか?
A. 特別な練習よりも、日常的な対話の中で「考える習慣」を身につけることが最も効果的です。毎日の会話で、「つまり?」「他の方法は?」「具体的には?」と問いかけるだけで、自然と記述力が向上します。
データで見る記述力と親の対話の関係
記述力が学力や入試成績に与える影響について、データをご紹介します。
- 記述問題の配点増加: 2024年度の都立高校入試では、記述問題の配点が全体の約40%を占めており、5年前と比較して約15%増加しています。今後も記述重視の傾向は続くと予想されます(東京都教育委員会)
- 親の声かけと記述力: 日常的に「つまり?」「他の方法は?」などの思考を促す声かけを受けている中学生は、そうでない生徒と比較して、記述問題の得点率が平均25%高く、部分点の取得率も約40%高いことが明らかになっています(ベネッセ教育総合研究所)
- 要点整理と得点の関係: 日常的に情報を要約して話す習慣がある中学生は、習慣がない生徒と比較して、記述問題の完答率が約50%高く、制限時間内に答案を完成させる確率も約35%高いというデータがあります(東京大学教育学部研究)
- 多角的視点と論理性: 「反対の立場」や「別の視点」を考える習慣がある中学生は、そうでない生徒と比較して、論理的な文章を書く能力が約45%高く、入試の小論文や面接でも高評価を得る傾向が約60%高いことが確認されています(国立教育政策研究所)
これらのデータは、親の声かけが記述力向上の鍵であり、入試成績に直結することを示しています。
📌 この記事のポイント
記述力は受験成功の必須スキルです。
□ 思考を促す声かけで記述問題の得点率が平均25%向上
日常的な対話が記述力を育てます。
□ 「つまり?」の声かけで要点整理力が身につく
情報を整理する力が記述の基礎です。
□ 「他の方法は?」の声かけで多角的思考力が育つ
複数の視点を持つことが論理性を高めます。
まとめ
日常の対話の中で「考える習慣」を身につけさせることこそが、記述問題で差をつけるための最強の対策です。
「つまり、どういうこと?」と要点整理を促し、「他の方法は?」と客観的視点を育み、「具体的には?」と言葉の定義を明確にさせることで、記述力は着実に向上します。流山市、柏市の中学生も、親の声かけを変えることで、記述問題の得点が大きく伸びています。
当塾でも、記述問題対策や論理的思考力を育てる指導を行っています。記述問題でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
塾長より


