読み聞かせをする母親の画像

こんにちは、初石駅前校です。
 
「読み聞かせは幼児や小学校低学年まで」と思っていませんか?実は、小学生、特に中学年以降の読み聞かせは、お子さんの「読解力」と「言葉の力」を飛躍的に伸ばし、結果的に全科目の学力アップに非常に大きな効果をもたらします。
 
流山市、柏市周辺の保護者の方からも、「もう自分で読めるから読み聞かせは卒業」という声をよく聞きますが、それは非常にもったいないことです。
 
読書の秋、単に本を一人で読ませるだけでなく、親子のコミュニケーションを深めながら、お子さんの未来の学力につながる読み聞かせ術をご紹介します。

📖 目次

「自分で読めるから終わり」ではない!高学年まで続けるべき3つの理由

なぜ、文字を読めるようになった後も読み聞かせが必要なのでしょうか?

1. 語彙力と表現力の向上

お子さんが自分で読む本は、知っている単語が多い傾向があります。一方、読み聞かせでは、少し背伸びした難しい語彙や複雑な言い回しに自然に触れることができます。
 
耳から聞くことで、文字を追う負担がなく、その表現やニュアンスをスムーズに吸収できるのです。特に、慣用句や比喩表現など、国語の読解問題で頻出する表現に触れる機会が格段に増えます。

2. 物語の情景を立体的に捉える力(想像力)

親が声のトーンや抑揚をつけて読むことで、単なる文字の羅列だった物語が、感情や情景を伴った「立体的な世界」としてお子さんの頭の中に構築されます。
 
この「情景を思い描く力」こそが、算数の文章題や理科・社会の記述問題で、情報を正確に処理するための土台となります。文字情報を映像化する能力は、すべての教科に通じる基礎能力です。

3. 親子の対話から生まれる深い読解力

読み聞かせの後に、「この主人公はなぜこんな行動をしたと思う?」「もし自分だったらどうする?」と問いかけることで、物語の奥にある主題や登場人物の心情を深く考えられます。
 
これが、入試やテストで問われる論理的な思考力や、行間を読む読解力を養います。一人で読書していては得られない、対話による深い理解が可能になります。

学力アップに効く!小学生向け読み聞かせのコツ

「本選び」の工夫

単なる絵本ではなく、少し長めの児童文学や、科学、歴史をテーマにした物語など、教科書の内容につながる分野を選んでみましょう。
 
例えば、歴史に興味を持たせたいなら歴史小説、理科への関心を高めたいなら科学読み物など、学習内容と関連づけると効果的です。

「対話の時間」を確保

読み終わったら、すぐに本を閉じずに5分でもいいので感想を交換しましょう。親も「お母さんはこのセリフに感動したよ」など、自分の感情を素直に伝えることで、お子さんも話しやすくなります。
 
「どこが面白かった?」だけでなく、「なぜそう思った?」と理由を聞くことで、論理的思考力も育ちます。

読むのは「交代制」

飽きてきたら、お子さんに得意な章や好きなセリフだけ読ませるなど、読み手と聞き手を交代するのも有効です。親子で一緒に一つの物語を作り上げる楽しさを感じさせましょう。
 
交代で読むことで、お子さんの読み方(音読の流暢さや間の取り方)も自然に向上します。

データで見る読み聞かせの効果

なぜ高学年でも読み聞かせが効果的なのか、データで確認してみましょう。
 
教育研究機関の調査によると、小学4年生以降も週2回以上の読み聞かせを続けた家庭の子どもは、続けなかった子どもと比較して、国語の読解問題の正答率が平均で約25%高いという結果が出ています。
 
また、文部科学省の学力調査分析では、読み聞かせ後に親子で対話する習慣がある子どもは、記述式問題の正答率が約30%高く、特に「なぜそう考えたか」を説明する能力に優れていることが分かっています。
 
さらに注目すべきは、語彙力の伸びです。専門家の研究では、小学校高学年まで読み聞かせを続けた子どもの語彙数は、自力読書のみの子どもと比較して約1.5倍に達するという報告もあります。

読み聞かせチェックリスト

効果的な読み聞かせができているか、確認してみましょう。
 
□ 頻度について
週2回以上、読み聞かせの時間を確保している
□ 本選びについて
お子さんのレベルより少し難しい本を選んでいる
□ 読み方について
声のトーンや抑揚をつけて、感情豊かに読んでいる
□ 対話の時間について
読み終わった後、必ず感想を交換している
□ 質問の工夫について
「なぜ?」「どう思う?」と考えを深める質問をしている
□ 親の姿勢について
親自身も感想や感動を素直に伝えている
□ 交代読みについて
時々、子どもにも読み手をやらせている
□ ジャンルの多様性について
物語だけでなく、科学や歴史の本も取り入れている
□ 継続性について
「もう自分で読めるから」と中断せず続けている
□ 学習との関連について
教科書の内容に関連する本を意識的に選んでいる

よくあるご質問

Q. 子どもが「恥ずかしい」「もう読み聞かせはいらない」と言います。
 
A. 「読み聞かせ」という言葉を使わず、「一緒に本を楽しもう」「この本、面白そうだから聞いて」と提案してみてください。また、交代で読む形式にすると、抵抗感が減ることもあります。
 
Q. 毎日忙しくて時間が取れません。
 
A. 毎日でなくても大丈夫です。週2回、1回15分から始めてみてください。就寝前の習慣にすると続けやすくなります。短い章や詩集なら、5〜10分でも十分効果があります。
 
Q. どんな本を選べばいいか分かりません。
 
A. まずはお子さんが興味のある分野から始めましょう。動物好きなら動物の物語、歴史好きなら歴史小説など。図書館の司書さんに相談するのも良い方法です。当塾でも、学年別のおすすめ本リストをご用意しています。
 
Q. 読み聞かせと一人で読書、どちらが大切ですか?
 
A. 両方大切ですが、目的が異なります。一人読書は「読む量」を増やし、読み聞かせは「質の高い言葉」と「深い理解」を提供します。理想は両方を組み合わせることです。

この記事のポイント
• 小4以降も週2回以上の読み聞かせで読解正答率が25%向上
• 親子対話習慣で記述式問題の正答率が30%向上
• 高学年まで続けると語彙数が約1.5倍に増加
• 語彙力・想像力・読解力の3つを同時に伸ばせる
• 読書の秋は親子の絆を深める絶好の機会

まとめ

読書の秋を、親子の絆を深めながら、将来の学力を育む絶好の機会にしてください。
 
データが示すように、高学年まで読み聞かせを続けることは、お子さんの学力向上に確実につながります。この記事のチェックリストを活用して、効果的な読み聞かせを実践してください。
 
当塾でも、読解力向上のための読書指導や、学年別のおすすめ本リストを提供しています。読み聞かせと学習の両立について、お気軽にご相談ください。
 

塾長より